解決事例 【交通事故】過失が大きい依頼者の賠償金を人身傷害保険を利用して獲得した事例

2020年4月28日投稿 | 投稿者: 弁護士 津田清彦

依頼のきっかけ

Aさんは,60代女性で,原付バイクに乗り道路を走行中に車線変更をしようと右側の車線へ入った際,右側の車線を直進していた自動車と衝突し,左方へ転倒して,左足関節損傷,左足関節帯断裂,左中足骨骨折を負いました。

Aさんは,自身の過失が大きいことから事故の相手方の任意保険会社から一括対応による治療費の支払をしてもらえませんでした。Aさんが加入する任意保険会社の人身傷害保険を利用することで治療費を保険会社に支払ってもらい入通院をしていました。入院を約2ヶ月し,その後に通院をしていましたが,この先どのような解決になるのか不安になり,通院中の時期に大賀綜合法律事務所へご相談にいらっしゃいました。

 

交渉の経緯

Aさんは,入院約3ヶ月,通院約5ヶ月の合計8ヶ月で症状固定を迎えました。Aさんは未だ左足に痛みを感じていましたので,後遺障害の等級認定手続を経ることとなり14級9号「局部に神経症状を残すもの」に該当するとして後遺障害の等級認定を得ることができました。

後遺障害の等級認定手続も終了したことから,弁護士はAさんに今回の事故で生じた損害を計算し,事故の相手方へ損害賠償の請求を行いました。

しかし,Aさんの過失の方が相手方の過失よりも多く,Aさんの過失は60%以上認められてしまうのは避けられない事故でしたので,相手方へ請求した損害は全損害の40%分にあたる金額です。

事故の相手方に弁護士代理人がつき,交渉を重ねましたが示談交渉では一切保険金を支払うことができないとの回答でした。

一方で人身傷害保険から支払われる慰謝料等の保険金は約10万円でした。人身傷害保険は,Aさんと保険会社との保険契約で保険金額があらかじめ保険約款で決められており,人身傷害保険金を増額のために保険会社と交渉をしても増額されることはほぼありません。

しかし,Aさんの加入している保険会社の保険約款には,裁判の判決や裁判上の和解により損害額が決定された場合には人身傷害保険の保険金を約款で決められている金額ではなく,裁判により決定された金額を支払う旨の規定があったため,Aさんは裁判を起こすことになりました。

裁判の結果,判決でAさんの過失は60%,相手方の過失は40%となりました。裁判所は,Aさんの損害のうち40%分を相手方がAさんに支払うよう命じる判決を下しました。また,人身傷害保険の保険金が10万円からAさんの過失分60%分へ増額されました。これは判決の中でAさんの全損害額,過失割合が判示されたため上述した保険約款により人身傷害保険の保険金が増額されたためです。

結果として,Aさんは,事故の相手方から約40%,自身加入の任意保険会社から約60%分を獲得し,約100%分の賠償金を獲得することができました。

 

担当弁護士から一言

①自身の過失が大きい場合には相手方の任意保険会社に一括対応をしてもらえないことが多いです。したがって,健康保険を利用して治療費を自己負担して通院をするか,人身傷害保険に加入している場合には自身加入の任意保険会社に立替払いをしてもらい通院をすることになります。

②人身傷害保険は,おおまかに言えば,保険加入者の過失の有無及びその割合に関係なく,保険会社から人傷保険に係る約款で定められている損害額算定基準に基づいて算定された損害額相当の保険金の支払を受けることができる保険です。自身の過失が大きい場合に人身傷害保険に加入をしていると事故の相手方には賠償の請求ができない部分を人身傷害保険金で賄うことが可能になることがあります。

しかし,保険約款で定められている損害額算定基準はほとんどの場合が自賠責保険の基準に類似するもので裁判基準による算定よりも低額になることが多いです。したがって,保険約款に判決や裁判上の和解により賠償金が決定された場合には人身傷害保険金の金額が増額することが可能な場合があります。

仮に人身傷害保険の保険金を増額することができれば,自身に過失が認められてしまう場合であっても損害の大部分を保険金から補填することができます。

したがって,過失が大きいからといって諦めずに,まずは弁護士に相談をしてみてください。

 

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