解決事例

後遺障害5級 青信号の横断歩道を歩行中に自動車と接触して頭部を殴打し高次脳機能障害が残存してしまった事例

解決事例

1.依頼のきっかけ

Aさんは,70代女性で,横断歩道を横断中に左折中の自動車にひかれ,道路に頭部を打ち付けて急性硬膜下血腫,頭蓋骨骨折,高次脳機能障害を負いました。

Aさんは,意識不明の重体であったためそのまま緊急入院となりました。意識が戻ったAさんは暴言を述べたり,暴力をふるったりするようになってしまい,これまでのAさんとは別人のようになってしまいました。

そこで,Aさんのお子様が今後の治療費や介護費用について不安になり事務所へご相談にいらっしゃいました。

 

2.交渉の経緯

Aさんは,2つの病院で合計約6ヶ月入院し,退院後は老人ホームなどに入所することとなりました。

Aさんはこれまで自宅で家事をこなし,通院や服薬管理も自身で行っており,買い物にもバスを利用して行くなど1人で生活をすることができていました。しかし,事故で脳への損傷を受けたため,記憶が前後し(亡くなっている親族がいつ遊びにくるかと聞くなど),1人で歩行したり,トイレに行くことも容易でなくなってしまいました。

そこで,弁護士は治療中に依頼を受けました。入院中のシルバーカーの購入費用や老人ホームへの入所費用などを示談前に支払うよう求め,少しでもAさんやそのご家族の負担を減らすことに注力しました。

その後,医師から症状固定の診断を受けたため,弁護士は医師と面談し,脳の損傷の程度や高次脳機能障害が残存していることについて質問しました。また,カルテや実況見分調書を取得するなどして,適切な後遺障害等級が獲得できるよう活動をしました。

その結果,Aさんには事故によって脳の損傷を受けたため,「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」であると認められ,5級の後遺障害等級が認められました。

後遺障害の等級認定手続も終了したことから,弁護士はAさんに今回の事故で生じた損害を計算し,事故の相手方へ損害賠償の請求を行いました。

しかし,交渉では納得いく金額の提示を受けることができず,裁判へと進むことになり判決がでました。裁判所は介護費用については控えめな認定をしましたが,それ以外の慰謝料や逸失利益については十分な損害額を認定してもらうことができ,適切な額の賠償金を受領することができました。

 

3.担当弁護士から一言

被害者が重症を負った場合に,親族は被害者の介護を行わなくてはなりません。お世話をする人が仕事を辞めなければならない場合もあります。しかし,仕事を辞めてしまえば収入がなくなり生活をすることができなくなってしまいます。適切な後遺障害が認められなければ,後遺障害に紐付く損害,たとえば将来の介護費用などを請求することは非常に困難になってしまいます。そのため,適切な後遺障害の等級認定を受けることは非常に重要なことです。

加害者側の保険会社が,自賠責保険へ事前認定の手続を利用して後遺障害の等級認定手続に申請をしてくれますが,保険会社はどのような基準で後遺障害が認定されるのか,どのような資料が重要な証拠となるのかを知らない場合もあります。知らなければ重要な資料が審査の際の資料として提出されないかもしれません。その結果,適切な後遺障害が認められなくなってしまう可能性もあり得ます。

したがって,弁護士に依頼するかはともかく,まずは治療中の段階から弁護士に相談をしてみてください。