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父親が離婚後に子どもと会う方法
子どもがいる夫婦が離婚すると、母親が親権者となり、父親と子どもは離ればなれになってしまうケースが圧倒的に多いのが実情です。
しかし、離婚した父親も「面会交流」によって子どもと会うことが可能です。
面会交流とは、離婚して親権を失った側の親(「非親権者」といいます。)が、子どもと会って親子の交流を図ることです。
夫婦が離婚しても、子どもに対しては両親からの愛情を注いで育てる方が望ましいといえます。面会交流は子どもの成長にとって大切なものなので、非親権者が面会交流を求める場合、基本的に親権者は拒否できません。
そのため、離婚後に子どもと会うことは「面会交流権」という、非親権者の権利として認められています。
2.面会交流の頻度や方法
一般的に面会交流は月に1回、半日程度の時間で、非親権者と子どもが一緒に食事をしたり、レジャーを楽しんだりすることが多いです。
しかし、両親が合意すれば、面会交流の頻度や方法は自由に決められます。連休などには非親権者の自宅などで宿泊を伴う面会交流を実施しているケースも少なくありません。
3.面会交流を実現する方法
面会交流を実現する方法に決まりがあるわけではありません。しかし、離婚後に元妻のもとで養育している子どもと勝手に会うとトラブルに発展する可能性が高いので、事前に取り決めをしておくべきです。
(1)元妻との話し合い
基本的には、元妻と話し合って面会交流の頻度や方法を決めます。
離婚後に長期間が経過してから面会交流を求めると話し合いが難航するケースが多いので、できる限り離婚時に面会交流について話し合い、合意した内容を離婚協議書に記載しておくのがおすすめです。
(2)調停
元妻との話し合いが進まない場合は、家庭裁判所に「面会交流調停」を申し立てましょう。中立公平な調停委員を介して話し合うことで、合意が成立しやすくなります。
離婚前の場合は離婚調停を申し立てて、離婚問題と併せて面会交流についても話し合っていきます。
(3)審判
調停でも合意できない場合は自動的に審判手続きに移行します。審判では、裁判官が一切の事情を考慮し、面会交流の可否や内容を決めます。
4.子どもに会わせてもらえない場合の対処法
面会交流の取り決めができても、実際には親権者が面会交流を拒否することもあります。そんなときは、以下の対処法が考えられます。
(1)家庭裁判所による履行勧告
調停や審判で面会交流を取り決めた場合は、家庭裁判所に「履行勧告」を出してもらうことが可能です。履行勧告とは、家庭裁判所から親権者に対して、決められたとおり面会交流に応じるように説き勧めることです。
さらに、家庭裁判所から親権者に対して、面会交流を拒否した場合には○万円の支払いを命じる「間接強制」という制度もあります。
ただし、履行勧告や間接強制の制度を利用しても、子どもを無理やり連れてきて面会交流を実現させることはできません。
(2)試行的面会交流
試行的面会交流とは、家庭裁判所調査官立会いの下で面会交流を試験的に行うことです。
家庭裁判所に面会交流調停を申し立て、試験的面会交流を求めれば、短時間にはなりますが子どもと会える可能性があります。
(3)間接的な面会交流
直接の面会を固く拒否される場合には、間接的な面会交流を実施することが有効です。
間接的な面会交流とは、電話やメール、手紙、プレゼントの送付などによって、直接会わずに親子の交流を図ることです。
まずは間接的な面会交流を重ねて子どもに愛情を注いでいけば、直接の面会交流につながる可能性が高まります。
(4)弁護士への依頼
弁護士のサポートによって面会交流が実現することも、よくあります。
まず、弁護士が元妻との話し合いを冷静かつ論理的に進めることで、面会交流への合意が得られやすくなります。
元妻が面会交流中の子どもの連れ去りや、非親権者による不適切な行為を恐れている場合には、弁護士の立ち会いを条件として面会交流を実施するケースも少なくありません。信頼できる第三者の立ち会いを提案することで、親権者が面会交流に応じる可能性を高めることができるのです。
下関・宇部・周南・岩国の弁護士法人ONEにご相談いただければ、離婚問題だけでなく、離婚後の面会交流や養育費などのお悩みについても、親身にサポートいたします。
離婚して離ればなれになったお子さまに会いたいとお考えの方は、ぜひ一度、当事務所へご相談ください。