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離婚慰謝料の相場と請求する方法

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夫婦が離婚する際に、慰謝料が支払われることがよくあります。

そもそも慰謝料とは、他人の権利を違法に侵害した場合に、相手方の精神的苦痛に対して支払われる損害賠償金のことです。
したがって、相手方の違法な行為が原因で離婚に至った場合は、ご自身が受けた精神的苦痛に応じて慰謝料を請求できます。

そのため、離婚の際に必ず慰謝料が発生するわけではありません。
例えば、よくある「性格の不一致」での離婚ケースではどちらが悪いともいえないため、基本的に慰謝料を請求することはできません。

1.離婚慰謝料を請求できる場合

離婚慰謝料を請求できるのは、法定離婚原因を一方当事者が作った場合です。法定離婚原因は、民法第770条1項で次の5つが定められています。

① 不貞行為
② 悪意の遺棄
③ 生死が三年以上明らかでない
④ 強度の精神病にかかり回復の見込みがない
⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由

典型的な離婚原因としては、不倫(①)、浪費のために生活費を渡さない(②)、DVやモラハラ(⑤)などが挙げられます。
実際には、多くの場合が⑤に該当します。性格の不一致でも、相手方の特異な性格が原因で夫婦生活がなり立たなくなった場合にはこれに該当する可能性があります。

2.離婚慰謝料の相場

慰謝料の金額は、離婚原因の内容や程度によって異なりますが、過去の裁判例ではほとんどの場合、数十万円~300万円の範囲内で決められています。
その中でも50万円~200万円の範囲内で決められることが多く、これが一応の相場といえます。
ただし、これはあくまでも目安に過ぎず、具体的な事情によっては1,000万円を超えるケースもありますし、逆に0円のケースもあります。

離婚慰謝料を請求する際は、相手方の違法な行為とご自身の精神的損害を具体的に主張して立証することが重要です。

3.離婚慰謝料を請求する方法

離婚慰謝料を請求するには、まず当事者同士の離婚協議で話し合うことです。話し合いがまとまらない場合は、離婚調停を申し立てて家庭裁判所を介して話し合います。調停でもまとまらない場合は、離婚訴訟を提起して決着をつけることになります。
話し合いでは相場に縛られずに自由に慰謝料の金額を決めることができますが、話し合いがスムーズに進むとは限りません。訴訟では強制的に慰謝料の支払いが命じられますが、金額は相場の範囲内となります。
いずれの場合も証拠を確保しておくことが重要です。

訴訟では、証拠がない主張は認められません。話し合いにおいても、相手方に事実を否定された場合には証拠がなければ話し合いを進めることができなくなります。

4.離婚慰謝料と時効

離婚慰謝料には時効があることにも注意が必要です。時効期間は、離婚したときから3年間です。
早く別れたい一心で慰謝料を取り決めずに離婚したような場合、離婚後でも慰謝料の請求は可能です。しかし、離婚してから3年が経つと請求しても相手方に時効を主張されると慰謝料を支払ってもらえなくなります。
そのため、離婚慰謝料は早めに請求するに越したことはありません。離婚後ではご自身で証拠を確保することも難しくなるでしょう。

離婚慰謝料を請求する際には、請求可能かどうか、可能としていくら請求できるのか、証拠を集める方法、話し合いを有利に進めるコツ、調停や訴訟の手続きなど難しいことがたくさんあります。

お困りのときは一人で悩まず、弁護士に相談することをおすすめします。離婚慰謝料の相場や請求方法の流れについてアドバイスを受けるだけでも、不安が解消することでしょう。
山口県で離婚問題にお悩みの際は、下関・宇部・周南・岩国の弁護士法人ONEにご相談ください。

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