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DVで離婚する際の慰謝料の相場

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配偶者によるDV被害を受けて離婚する場合には、慰謝料の請求が可能です。ただ、どれくらいの慰謝料を請求できるのかがわからない方も多いことでしょう。

適正な慰謝料を獲得するためには相場を知り、DVの証拠を確保した上で請求していく必要があります。

1.慰謝料とは

慰謝料とは、他人の不法行為によって精神的に傷つけられた場合に、その精神的苦痛を金銭に換算して支払ってもらう損害賠償金のことです。

離婚には慰謝料が付きものだと考えている方も多いですが、離婚すること自体は不法行為ではありませんので、必ずしも慰謝料が発生するわけではありません。

しかし、DVは家庭内で行われる暴力であり、明らかな不法行為ですので、被害を受けた側は慰謝料を請求できます。

2.DVの慰謝料相場

DVが原因で離婚する場合に認められる慰謝料の相場は、数十万円~300万円程度といわれています。

大きな幅があるのは、ひと口にDVといっても様々なケースがあるからです。ただ、大多数のケースでは数十万円から多くても100万円程度にとどまっているのが実情です。

そこで、DVの慰謝料が増額される事情と減額される事情を以下でご紹介します。

3.DVの慰謝料が増額されるケース

以下のような事情がある場合には、DVの慰謝料相場の中でも高額の慰謝料が認められやすい傾向にあります。

・DV行為の回数が多い
・DV行為の内容が悪質
・DV行為が行われていた期間が長い
・DVによって大きな怪我や障害を負った
・DVによってうつ病などの精神疾患を発症した
・婚姻期間が長い
・夫婦間に未成年の子どもがいる

相場を超えるほど高額の慰謝料が認められるのは、後遺症が残るような身体的または精神的障害を負わされた場合や、生命の危険を感じるほど悪質なDV行為を何十年にもわたって受け続けてきたいような場合です。

4.DVの慰謝料が減額されるケース

一方で、以下のような事情がある場合には、DVの慰謝料が低額となりやすい傾向にあるといえます。

・被害者側にも落ち度がある
・DV行為の回数が少ない
・DV行為の内容が軽微
・DV行為が行われていた期間が短い
・婚姻期間が短い
・夫婦間に未成年の子どもがいない

DV行為があったとしても、十数年の婚姻期間中に数回平手打ちされただけというような場合は、違法性が軽微なために慰謝料が認められない可能性もあります。

また、それなりのDV被害を受けたとしても、被害者の挑発によってDV行為を招いたような場合には、相当減額される可能性があります。

5.適正な慰謝料を獲得する方法

配偶者のDVが原因で離婚する場合に適正な慰謝料を獲得するためには、まずDVの証拠を確保する必要があります。証拠がなければ裁判を起こしても慰謝料が認められないため、相手に言い逃れをされてしまう可能性が高いからです。

証拠を確保したら、相手方と話し合い(離婚協議)をします。ただ、行う配偶者と直接話し合うと身に危険が及ぶおそれがあるので、弁護士などの第三者を介して話し合うようにしましょう。

話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。中立・公平な調停委員を介して話し合うことで相手方が慰謝料の支払いに応じるようであれば、合意して調停離婚を成立させましょう。

調停でも解決できない場合には、離婚訴訟を提起します。裁判所に証拠を提出することにより、DV被害を受けた事実を証明できれば、判決で離婚と慰謝料が認められます。

DV夫(妻)に対して慰謝料を請求するとしても、話し合いは難しいことが多いですし、調停や訴訟を的確に進めるためには専門的な知識や経験が求められます。そのため、弁護士の力を借りて手続きを進めることをオススメします。

弁護士法人ONEにご相談いただければ、DVの慰謝料額の見通しについてアドバイスしますし、証拠集めのサポートから離婚協議・離婚調停・離婚訴訟の手続きまで承ります。

配偶者からのDVでお困りの方はぜひ一度、ご相談ください。

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