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民事再生とは?個人も利用できる?

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多額の負債を抱えたとき、「債務を減縮できれば返済していける」という場合には、民事再生手続きの利用が有効です。

民事再生は再建型の債務整理手続きなので、一定の条件を満たせば、自己破産をすることなく負債を整理できます。

1.民事再生とは?

民事再生とは、裁判所の決定によって債務を減額してもらい、減額後の債務を完済すれば残りの債務が免除される手続きです。

企業が多額の負債を抱えた場合、破産を申請することも考えられます。しかし、破産すると、企業の財産はすべて換価処分され配当の引き当てとなり、最終的に企業は消滅します。

破産によって債務が全面的に免除されなくても、一部免除が受けられるのであれば、事業の継続が可能な企業も少なくありません。このような企業の再生を図るために設けられた制度が、民事再生です。

2.個人も民事再生を利用可能

民事再生法上、利用対象は企業に限られているわけではありませんので、個人も民事再生手続きを利用可能です。

もっとも、本来的には企業の再生を想定して設計されているため、個人が利用するには、手続きにかかる労力や費用の負担があまりにも大きなものとなっています。

そこで、民事再生法には、借金総額5,000万円以下(住宅ローンは除きます。)の個人を対象とした特則が定められています。この特則が適用される個人向け民事再生のことを「個人再生」といいます。

個人も、財産処分や職業制限といった自己破産のデメリットを回避しつつ、経済生活の再生を図ることが可能なのです。

3.個人向け民事再生には2種類ある

個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等という2種類の手続きがあります。

(1)小規模個人再生

小規模個人再生では、再生計画案(個人再生後の返済プラン)に対して、反対する債権者の数が半数未満で、かつ、反対する債権者が有する債権額の合計が借金総額の半分以下であれば、返済額が大幅に減額されます。

原則的に、借金総額の5分の1~10分の1にまで減額することが可能です。減額後の借金は、3年~5年で分割返済していきます。

(2)給与所得者等再生

給与所得者等再生は、収入の変動幅の小さな安定収入がある個人が利用できる個人再生手続きです。

年収から税金や社会保険料、政令で定められた最低生活費を差し引いた可処分所得の2年分を最低限、返済する必要があります。

客観的に返済額が決められるため、債権者の賛成・反対意見は認可要件とされていません。

4.小規模個人再生と給与所得者等再生はどちらがよい?

個人事業主でも収入の変動幅が小さければ給与所得者等再生を利用できますし、逆に、サラリーマンでも小規模個人再生を利用することも可能です。

どちらを選択すればよいのか迷うかもしれませんが、一般的には、小規模個人再生を選択する方が有利といえます。なぜなら、給与所得者等再生では「可処分所得の2年分」が意外に高額であるため、小規模個人再生よりも返済額が大きくなってしまうことがほとんどだからです。

ただし、給与所得者等再生には、債権者の意向にかかわらず、条件を満たせば強制的に借金が減額されるというメリットがあります。

従来は、小規模個人再生で再生計画案に反対意見を提出する債権者はごくわずかしかいませんでしたが、近年では少しずつ増えてきています。そのため、債権者の反対意見が多いと見込まれるケースでは、給与所得者等再生を選択した方がよいでしょう。

下関、宇部、周南、岩国の弁護士法人ONEにご相談いただければ、民事再生(個人再生)についてわかりやすくご説明いたします。それだけでなく、数多くの選択肢の中から、状況に応じて最適な解決方法をご案内することも可能です。

借金問題でお困りの方は、弁護士法人ONEへお気軽にご相談ください。

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