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投資依存症でも債務整理できる?
株やデイトレード、FX、先物取引、ビットコインをはじめとする仮想通貨などへの投資には、ギャンブル的な要素が強くあります。そのため、止めたいと思っても止められず、借金をしてまで投資につぎ込んでしまう人も少なくありません。
投資で作った借金でも、債務整理が可能です。まずは借金問題を解決し、依存症については治療を受けて改善を図ることが大切です。
1.投資依存症とは
依存症とは、特定の何かに心を奪われ、止めたいと思っても自分で意思をコントロールできず、止められない状態になってしまうことです。
精神医学上、「投資依存症」という診断名はありませんが、ハイリターンが得られるような投資にはギャンブル的な要素が強くあることから、ギャンブル依存症の一種として扱われることが一般的です。
依存症は病気ですので、自分の意思だけで改善させることは難しいですが、専門の医療機関で適切な治療を受ければ改善も可能です。
投資を止めたくても止められず多額の借金を作ってしまったという人は、依存症に陥っている可能性が高いので、専門の医療機関を受診することをおすすめします。
2.投資で作った借金も債務整理できる
借金を作った原因が投資でも、債務整理は可能です。債務整理には、主に次の3つの種類があります。
・任意整理
・個人再生
・自己破産
このうち、任意整理と個人再生では借金した理由は問われません。借金総額が比較的小さい場合は、任意整理で毎月の返済額を減らすことで解決できる可能性があります。借金総額が大きく膨らんだ場合でも、安定収入があれば個人再生で解決できるでしょう。
ただし、自己破産では「免責不許可事由」があることに注意が必要です。
3.自己破産の「免責不許可事由」とは
免責不許可事由とは、自己破産をしても借金が免除されない原因として破産法で定められている原因のことです。
その中の一つに、「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」というものがあります。
「射幸行為」とは、偶然に得られる成功や利益を当てにする行為のことで、投資はこれに当たります。つまり、投資で多額の借金を作った場合は自己破産をしても原則として借金が免除されないことになります。
ただし、免責不許可事由がある場合でも、事情によっては裁判所の裁量により借金が免除されることもあります。このことを「裁量免責」といいます。
本人が借金を作ったことを真摯に反省し、改善のために努力をした上で、裁判所の手続きに積極的に協力すれば、裁量免責が得られる可能性があります。
4.投資依存症の自己破産では診断書が有効
投資への依存で借金を作った場合、到底返済できないほどに膨れ上がっていて、自己破産せざるを得ないことも多いと思われます。
そんなときは、専門の医療機関を受診して依存症の診断書を取得し、裁判所に提出することが有効です。病気であることを証明することにより、「自分の意思では借金を止められなかった」ということを認めてもらえます。
その上で、医師の指示に従い治療を受けて改善に努め、裁判所に対してはありのままの事実を正直に申告して真摯に反省していることを示せば、裁量免責によって借金を全て免除してもらえる可能性が十分にあります。
ただし、ご自身で自己破産を申し立てた場合に裁量免責を認めてもらうことは容易ではありません。
弁護士法人ONEにご相談いただければ、裁量免責が可能かアドバイスしますし、ご依頼いただければ可能な限り裁量免責が得られるように手続きいたします。
万が一、裁量免責が得られない場合でも任意整理や個人再生などの解決方法がありますので、投資で抱えた借金でお困りの方はぜひ一度、ご相談ください。