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相続トラブルにおける弁護士の守秘義務とは
相続トラブルで弁護士に相談する際には、さまざまな秘密や財産状況など、重要なプライバシーに関する事柄を話さなければなりません。
そのため、「秘密が漏れるのではないか?」と考えて相談を躊躇する方もいらっしゃいますが、心配は不要です。
弁護士には法律上の「守秘義務」が課せられていますので、安心してご相談ください。
1.弁護士の守秘義務とは
弁護士および元弁護士は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならないという義務を負っています。これが、弁護士法23条に定められている「守秘義務」というものです。
(秘密保持の権利及び義務)
第二十三条 弁護士又は弁護士であつた者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。但し、法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
引用元:弁護士法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC1000000205
違反した場合には秘密漏示罪として6ヵ月以下の懲役または10万円以下の罰金に処せられるほか、所属する弁護士会から懲戒処分を受け、弁護士としての業務ができなくなるおそれもあります。
このように弁護士の守秘義務は厳格に定められていますので、ご相談者が弁護士に話した秘密が漏れる心配はありません。
2.守秘義務には例外がある?
守秘義務の対象は、弁護士が「職務上知り得た秘密」のすべてです。したがって、ご相談者やご依頼者が弁護士に伝えた秘密は、原則としてすべて守られます。
ただし、例外として「法律に別段の定めがある場合」には、正当な理由が認められるため守秘義務が解除されます。
具体的にいうと、次のようなケースでは弁護士がやむを得ず秘密を関係当局に話すことがあり得ます。
・殺人事件などの重大な犯罪を防止する必要がある場合
・依頼者または弁護士が税務調査を受けた場合
・弁護士当人が裁判の当事者になった場合
しかし、相続トラブルを弁護士に相談して、このようなケースに巻き込まれることは極めて稀です。
事実上、弁護士に伝えた秘密が漏れてしまう心配はまずないとお考えいただいて差し支えありません。
3.相続トラブルは安心して弁護士に相談を
相続トラブルに関しては、秘密にしておきたい事柄が多々あるものですが、どのような内容でも弁護士には安心してご相談いただけます。
(1)遺言書を作成したい場合
相続トラブルの予防には、遺言書を作成しておくことが有効です。ただ、生前は遺言の内容を秘密にしておきたいと考える方が多いことでしょう。
弁護士に遺言書の作成を依頼した場合、遺言書の内容はもちろんのこと、遺言書を作成したこと自体も秘密として守られます。
(2)遺産分割でもめた場合
他の相続人と遺産分割でもめた場合には、弁護士に相談して法的な戦略を検討することが有効です。
ただ、戦略が固まるまでは、他の相続人に秘密にしておく必要があります。弁護士に相談したことを知られただけでも、親族との関係が悪化することも少なくありません。
弁護士は、ご相談内容やご依頼者との打ち合わせ内容はもちろんのこと、相談を受けたこと自体も秘密として守ります。
(3)重要なプライバシーを打ち明ける場合
相続トラブルを解決するためには、個人情報や身分に関する情報から遺産の内容、場合によってはご相談者の財産や負債に関する状況まで弁護士に話さなければならないことがあります。
これらのプライバシー情報はすべて守秘義務の対象ですので、秘密が漏れる心配はありません。親族間で相続に関してもめていること自体も、秘密として守られます。
むしろ、当事者だけで感情的なやりとりをしていると、トラブルの内容が第三者に漏れてしまうことにもなりかねません。
相続トラブルは弁護士に依頼し、秘密を守りつつ冷静に対処していく方が得策です。
弁護士法人ONEでは、守秘義務を厳守して相続トラブルで弁護士の解決をサポートいたします。
下関、宇部、周南、岩国で相続問題のお悩みを抱えている方は、弁護士法人ONEへお気軽にご相談ください。