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相続手続きにかかる費用(相場)はどれくらい?
相続手続きには手間がかかるだけでなく、費用もかかります。複雑な手続きを弁護士などの専門家に依頼すれば手間はかかりませんが、どれくらいの費用がかかるのか気になる方も多いことでしょう。
今回は、相続手続きにかかる費用(相場)について、自分で行う場合と専門家に依頼する場合に分けてみていきましょう。
1.自分で相続手続きを行う場合の費用(相場)
自分で相続手続きを行う場合の費用は、ケースにもよりますが数千円~数万円程度で済むことも少なくありません。
(1)書類の取得費用
相続手続きを行うためには、次のような書類を取得する必要があります。
・戸籍謄本
・除籍謄本
・改正原戸籍謄本
・住民票
・印鑑登録証明書
・固定資産評価証明書
取得費用は相続人の数などによって異なりますが、少なければ数千円、多くても数万円で済むケースがほとんどです。
(2)遺産の名義変更にかかる費用
不動産の名義変更(相続登記)の手続きを自分で行う場合も、登録免許税は必要です。
税率は基本的に0.4%ですが、例外的に2.0%となるケースもあります。
評価額3,000万円の自宅を相続する場合なら、税率0.4%だとすると、12万円の登録免許税がかかります。
車の名義変更をする場合は、車庫証明取得費用や移転登録手数料などで数千円かかることがあります。
(3)場合によっては必要となる費用
その他にも、以下の費用が必要となる場合があります。
a.遺言書の検認が必要な場合
自筆証書遺言がある場合は、家庭裁判所で検認を受ける必要があります。その際、家庭裁判所に印紙代と切手代で数千円の費用を支払う必要があります。
b.遺産分割協議書を公正証書にする場合
公正証書を作成するときは、公証役場で最低5,000円の手数料がかかります。金額は遺産の価額によって異なります。遺産総額が3,000万円なら、手数料は2万3,000円です。
c.相続放棄をする場合
相続放棄をする場合は、家庭裁判所に印紙代と切手代で数千円の費用を支払う必要があります。
d.相続税がかかる場合
相続税は、遺産総額が基礎控除額を超える場合にのみかかります。
基礎控除額=3,000万円 +( 600万円 × 法定相続人の数 )
相続税がかかるケースは全体の1割未満なので、まずは遺産総額が基礎控除額を超えるかどうかを確認してみましょう。
2.専門家に相続手続きを依頼する場合の費用(相場)
相続手続きの代行を依頼できる専門家は、主に弁護士と司法書士です。依頼費用の相場は、それぞれ以下のとおりです。
(1)弁護士に依頼する場合
遺産分割について相続人間に争いがある場合は、弁護士に依頼する必要があります。
弁護士費用は事務所によって異なり、遺産総額によっても大きく変わります。おおよその相場としては、着手金として20~60万円程度、報酬金としては得られた経済的利益の4~16%程度です。
ただし、遺産割協議書の作成のみの依頼や、遺言執行のみの依頼も可能で、その場合は10~20万円程度で済むこともあります。
(2)司法書士に依頼する場合
不動産の名義変更のみを専門家に任せたい場合は、司法書士に依頼するのが得策です。費用は登録免許税の他に5~10万円程度が相場です。
相続手続きの代行をまるごと依頼することも可能で、その場合の費用相場は20~50万円程度です。ただし、遺産分割協議や遺産分割調停の代理は弁護士しかできないことにご注意ください。
相続には複雑な手続きを要することが多いので、自分で進めることに不安を感じたら、早めに専門家に相談し、見積もりをとることをおすすめします。遺産分割に関して相続人間で意見が対立しているような場合も、早めに弁護士にご相談いただくことで円満に解決できる可能性が高まります。
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