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遺産分割が終わるまでの財産管理についての注意点
相続が開始すると、相続財産の所有権は相続人に移ります。ただし、遺産分割が終了するまでは、誰がどの相続財産を取得するかが決まっていません。
そのため、遺産分割が終わるまでは、誰かが相続財産を適切に管理する必要があります。
1.相続財産は誰が管理する?
誰が相続財産を管理すべきかについて、法律上の明確な規定はありません。実際には、以下の4つのパターンが挙げられます。
(1)相続人の代表者
相続人が複数いる場合は、遺産分割が終わるまでの間、相続財産は相続人全員の共有となります。そして、相続人は自己の財産を管理する場合と同一の注意をもって相続財産を管理しなければならないと定められています。
そのため、本来なら相続人全員で相続財産を管理すべきともいえますが、それは難しいことが多いでしょう。
そこで、多くの場合は特定の相続人が代表して相続財産を管理しているのが実情です。
(2)遺言執行者
遺言書で遺言執行者が指定されている場合は、遺言執行者が相続財産を管理します。
遺言書がない場合や、遺言執行者が指定されていない場合でも、相続人からの申し立てにより家庭裁判所が遺言執行者を選任した場合は、その遺言執行者が相続財産の管理にあたることになります。
(3)裁判所が選任した管理者
遺産分割調停や審判を申し立てた場合で、第三者が公正に財産を管理する必要がある場合は、家庭裁判所が相続財産の管理者を選任することもあります。
(4)相続財産清算人
相続人が誰もいない場合は、利害関係人または検察官からの申し立てにより、家庭裁判所が相続財産清算人を選任します。
相続人全員が相続放棄をして相続人がいなくなった場合も、基本的に相続財産清算人の選任申し立てが必要です。
2.代表者が相続財産を管理する場合の注意点
多くの場合は、被相続人(亡くなった方)と同居していた人など、特定の相続人が代表者として相続財産を管理することになるでしょう。その場合には、以下の点に注意が必要です。
(1)自己の財産管理と同一の注意義務を負う
相続人は、相続財産を自分の財産と同等の注意をもって管理しなければなりません。
例えば、相続財産の中に評価額3,000万円の不動産がある場合、それが自分の財産なら1,000万円で売り飛ばすことはしないでしょう。
このようなことをすると、他の相続人の利益を害するため、遺産分割で不利になってしまいます。
(2)使用収益は相続分に応じて可能
賃貸中の不動産を相続した場合、相続開始後の賃料収入は相続財産ではなく、使用収益の対価に該当します。そのため、基本的には法定相続分に従って、賃料収入を分配することになるでしょう。
(3)管理行為は各相続人の相続分の過半数の同意が必要
管理行為とは、財産を利用または改良する行為のことを指します。
相続した不動産を新たに賃貸することは管理行為に該当しますので、各相続人の相続分の過半数の同意を得て行う必要があります。
(4)財産の処分は相続人全員の同意が必要
相続財産の売却などの処分行為には、相続人全員の同意が必要です。
ただし、共有物でも自己の持ち分のみを処分することは可能です。したがって、相続した不動産の共有持ち分のみを売却することも認められます。
しかし、特定の相続人の持ち分のみを売却すると権利関係が複雑となるため、相続人全員の同意を得るか、または遺産分割の終了後に売却する方が望ましいといえるでしょう。
その他にも、相続人を代表して財産管理を行う方は、相続財産の使い込みを疑われないように、管理に要する費用を支払った場合は領収証を保管しておくなど、細かな注意点もあります。
弁護士法人ONEでは、相続問題について全般的にご相談を承っています。財産管理者の決め方や適切な管理方法など、遺産分割の前提となる問題についても、親身になってサポートいたします。
相続財産の管理でお困りの際は、山口県・北九州の弁護士法人ONEへお気軽にご相談ください。