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NHKの受信契約者が死亡したときに必要な相続手続き

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亡くなった身内の方(被相続人)がNHKと受信契約を結んでいた場合、放置していると相続人が受信料の支払い請求を受けてしまいます。
相続が始まったら、NHKの受信契約についても適切な手続きをとることが必要です。

1.NHK受信料の支払い義務も相続する

相続人は、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継するため、NHKの受信契約者としての地位も引き継いでしまいます。
何も手続きをしなければ、被相続人が生前に滞納していた受信料はもちろんのこと、死亡後に発生した受信料についても、NHKから請求されてしまいます。

ただし、死亡後の受信料については、死亡した日を証明できる書類を提出すれば、NHKは請求せず、既に支払われている場合には返金するという対応をとっています。
最初から請求を受けないようにするためには、被相続人が亡くなった後、速やかに適切な手続きをとることが大切です。

2.NHKの受信契約者が亡くなったら解約または名義変更が必要

NHKの受信契約者が亡くなったときは、状況に応じて解約または名義変更の手続きが必要となります。

(1)解約が必要なケース
被相続人が一人暮らしをしていた場合で、以下のケースでは、被相続人の受信契約を解約することが必要です。

・以後、誰もその家に住まない
・誰かが住むけれど、その人が既に受信契約を結んでいる
・誰かが住むけれど、NHK放送を受信可能な機器を撤去する

解約するためには、NHKに電話連絡(フリーダイヤル:0120-151515)をした上で、所定の届出書を提出します。

(2)名義変更が必要なケース
被相続人と同居していた人が、その家でNHK放送を受信可能な機器を保有し続ける場合は、受信契約の名義変更が必要です。被相続人が一人暮らしをしていた場合で、まだ受信契約を結んでいない人がその家に住む場合も同様です。

名義変更の手続きは、NHKホームページ内の『受信料の窓口』というコーナーから、ウェブ上で行えます。インターネットを利用できない場合は、解約の場合と同様、NHKに電話連絡をして手続きすることも可能です。

3.NHKの未払い受信料を相続したときの対処法

実は法律上、NHK受信料の支払い義務は明確には定められていません。とはいえ、支払わなければNHKから請求を受けますし、無視していると裁判や差し押さえを受けるおそれがあります。そのため、被相続人が受信料を未払いにしていた場合には、以下のように対処する方が賢明だといえます。

※NHK受信料の支払い義務の根拠について
コラム「NHKの受信料を支払わないとどうなる?」はこちら

(1)消滅時効の援用を検討する
被相続人が死亡したときから5年以上前の未払い受信料については、消滅時効を主張できます。
未払いが長期間に及んでいる場合でも、消滅時効を援用すれば、相続人が支払うべき金額は最大でも十数万円にとどまります。

NHKから届いている督促状などで、未払いの期間を確認しましょう。

(2)相続放棄を検討する
相続放棄をすれば、未払いの受信料を支払う必要はなくなります。
ただし、相続放棄をするとプラスの相続財産も一切受け取ることができません。
しっかりと財産調査をした上で、被相続人の借金などマイナス財産の方が多い場合は、相続放棄の手続きをするとよいでしょう。

(3)相続する場合は未払い受信料を支払う
未払い受信料の支払い義務は、相続人全員が承継するものですので、相続財産の中から支払うことが認められます。

ご自身の財産から立て替えて支払う場合には、遺産分割協議でのトラブルを防止するために、領収書を保管しておきましょう。

(4)相続税が発生する場合は債務控除を適用する
被相続人の未払い受信料を支払った場合は、相続税を申告する際に債務控除を適用することで、少しでも納税額を抑えることができます。相続税が発生する場合は、税金を納めすぎないように、債務控除を適用しましょう。

弁護士法人ONEにご相談いただければ、NHK受信契約の問題も含めて、相続手続きを全面的にサポートすることができます。

下関、宇部、周南、岩国で相続に関するお悩みを抱えている方は、弁護士法人ONEへお気軽にご相談ください。

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