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交通事故に遭ったら警察への通報が必要な理由

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交通事故に遭ったら、必ず警察へ通報しなければなりません。警察への通報は法律上の義務であるだけでなく、保険金を請求するためにも重要なことです。

軽微な事故などでは通報しない人もいますが、通報を怠ると思わぬデメリットが生じることがあるので注意しましょう。

1.警察への通報は法律上の義務

交通事故に遭った当事者には、警察に通報することが道路交通法72条1項で義務付けられています。

加害者が通報しない場合には、被害者であっても通報しなければなりません。怪我が重いなどの理由により自分で通報できない場合は、周囲の人などに通報を依頼しましょう。

この通報義務に違反すると罰則が適用され、最大で5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

2.交通事故で警察に通報しないことによるデメリット

交通事故で警察に通報しなければ、以下のように大きなデメリットが生じるおそれがあります。

(1)交通事故証明書が発行されない
警察に交通事故を届け出ていなければ、交通事故証明書が発行されません。

交通事故証明書とは、事故が起こった日時・場所や当事者の氏名・住所・連絡先、事故の類型などを証明するために発行される書類のことです。

自動車保険を適用するためには、原則として交通事故証明書が必要です。「交通事故証明書入手不能理由書」を提出することで保険が適用されることもありますが、事故の事実が確認できない場合には保険の適用を拒否されてしまいます。

(2)実況見分調書が作成されない
人身事故の場合には、通常は警察による捜査が行われ、実況見分調書などの詳しい刑事記録が作成されます。しかし、警察に通報しなければ刑事記録が作成されません。

実況見分調書には交通事故の発生状況が詳しく記載されるので、過失割合で争いが生じた場合などで重要な証拠となります。

事故が起こった事実を交通事故証明書以外の証拠で証明できたとしても、実況見分調書などの刑事記録がなければ、事故の発生状況を正しく証明することが難しくなることも多いです。そのため、過失割合で不利になり、適正な賠償金を受け取れないことになりかねません。

3.交通事故で警察に通報する手順

交通事故に遭ったとき、相手が怪我をしていれば、第一にその人を救護しなければなりません。それから車両を安全な場所に移動させるなど応急の措置をして、110番通報をします。その際、警察から事故の発生場所や負傷者の有無、救急車の要否などを尋ねられるので、正確に答えましょう。

その後、警察が到着するまでの間に、事故の相手の氏名・住所・連絡先や加入している保険会社などを確認しておきましょう。また、事故現場の状況や車両の損傷状況を撮影したり、目撃者の連絡先を確認して控えたりしておくと、後に過失割合で争いが生じた場合などに証拠として役立つことがあります。

警察からの聴き取りや実況見分などの捜査への対応が終わったら、早めに病院で診察を受けましょう。事故直後には痛みを感じないこともありますが、診察が何日も後になると、事故と怪我は無関係と判断され、賠償金を受け取れなくなるおそれもあります。なるべく事故当日のうちに病院へ行くことをおすすめします。

4.警察への通報は後日でも可能

事故直後に何らかの理由で警察に通報できなかった場合は、後日でもよいので通報するようにしましょう。

ただし、事故から長期間が経過した後では、事故の痕跡が消失して事実確認が難しくなることから、警察が受理しないこともあります。そのため、できる限り早めに通報することが大切です。

交通事故の届出などで困ったことがあったら、弁護士にご相談ください。適正な損害賠償金を受け取れるように、最善の対処法についてアドバイスが得られるはずです。

弁護士法人ONEでは、事故直後の対応から保険会社との示談交渉、必要に応じて裁判に至るまで、親身なサポートを心がけております。山口県で交通事故の被害に遭われた方は、弁護士法人ONEへお気軽にご相談ください。

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