コラム一覧

後遺障害等級8級の症状と慰謝料

コラム一覧

1.後遺障害等級8級とは

後遺障害等級8級は、労働能力喪失率が45%となる大変な症状が残存する後遺障害で、被害者は仕事や学校など社会生活が大きく制限されます。事故の被害に見合うだけの損害賠償を受け取り、新しい生活の足場を作らなくてはなりません。しかし慰謝料は弁護士基準とそれ以外で大きな差があります。後遺障害に関する十分な知識を身につけることは、ご自身または身近な人が事故に遭った際の大切な備えとなります。

2.後遺障害等級8級の表と解説

後遺障害等級8級は、下記の10つの症状(1号〜10号)を指します。
慰謝料については、表内の自賠責基準(最低保証金額)、任意保険基準(保険会社が提示する金額)、弁護士基準(被害者が本来受け取るべき適切な金額)をご参照ください。

等級 後遺障害 自賠責基準 任意保険基準 弁護士基準 労働能力喪失率
8級 1号
一眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下になったもの
331万円 400万円
※それぞれ独自に決定するため、あくまで目安
830万円
※2021年赤本参照
45%
2号
脊柱に運動障害を残すもの
3号
一手のおや指を含み2の手指を失ったもの又はおや指以外の3の手指を失ったもの
4号
一手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの
5号
一下肢を5センチメートル以上短縮したもの
6号
一上肢の三大関節中の1関節の用を廃したもの
7号
一下肢の三大関節中の1関節の用を廃したもの
8号
一上肢に偽関節を残すもの
9号
一下肢に偽関節を残すもの
10号
一足の足指の全部を失ったもの
1号:一眼が失明、またはメガネやコンタクトを付けたときの矯正視力が0.02以下になった状態
失明とは眼球を摘出(亡失)した状態、明暗がわからない状態、明暗が辛うじてわかる状態のことです。
明暗が辛うじて分かる状態とは、暗闇において目の前で点滅させた照明の明暗が判別できる(光覚弁=光の感覚がわかる)場合と、目の前で手のひらを上下左右に動かしてその動きの方向が分かる(手動弁=手の動きがわかる)場合をいいます。
2号:脊柱に運動障害が残る状態
脊柱とは背骨のことで、首からお尻まで一つに繋がり、体の中軸をなし、体幹を支える骨格です。
運動障害とは、背中を曲げ伸ばしできないなど、脊柱の動きが悪くなることです。
8級2号には脊柱の中程度の変形も該当し、X線写真などにより圧迫骨折を確認できる場合や湾曲や、長さが変わった場合も該当します。
3号:片方の手のおや指を含む2本の手指を失った状態、またはおや指以外の3本の手指を失った状態
指を失うとは、おや指であればIP関節(指の中間部分の関節)、その他の指であれば第2関節から先を失った場合をいいます。
4号:片方の手のおや指を含む3本の手指の機能を失った状態、またはおや指以外の4本の手指の機能を失った状態
指そのものが失われてなくても、神経が一部切断された場合や麻痺で動かなくなった場合をいいます。
5号:片方の足が5cm以上縮んだ状態
3cm以上縮んだ場合は10級8号に、1cm以上縮んだ場合は13級8号に該当します。
6号:片方の腕の3大関節中の1関節の機能を失った状態
上半身の3大関節(肩関節・ひじ関節・手関節)のうち1つの関節について、麻痺や強直(固まること)し、可動域が通常の10%以下になったものです。
7号:片方の足の3大関節中の1関節の機能を失った状態
上半身の3大関節(股関節・膝関節・足関節)のうち1つの関節について、麻痺や強直(固まること)し、可動域が通常の10%以下になったものです。
8号:片方の腕に偽関節が残る状態
「偽関節」とは、骨折した骨が正常にくっつかず、また骨がつく過程で停止した状態をいいます。
偽関節が出来てしまい、正常に手を動かすことができなくなるものの、常にプラスチックや金属の硬性補装具を必要としない場合が該当します。
9号:片方の足に偽関節が残る状態
8号と同様、偽関節のために、正常に足を動かすことができなくなるものの、常にプラスチックや金属の硬性補装具を必要としない場合が該当します。
10号:片方の足の指をすべて失った状態
足の指を失うとは中足指節関節から先を失ったものをいいます。
両足の指をすべて失った場合は5級8号に該当します。

3. 後遺障害が残存したら弁護士へ相談

後遺障害等級8級を解説しました。体の末端から中央まで、もとに戻らない苦しみが残る後遺障害です。交通事故で弁護士に相談するのは、費用などの観点から不安を覚える方もいると思います。弁護士法人ONEは完全成功報酬制で、着手金などの負担が一切かかりません。また十分な治療計画の提案や保険会社との交渉などあらゆる面から事故被害者のサポートに取り組んでいます。交通事故でご不安な場合は、弁護士法人ONEに是非、ご相談ください。