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後遺障害等級6級の症状と慰謝料

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1.後遺障害等級6級とは

後遺障害等級6級は、目や耳や口、手足や背骨に残存する重い後遺障害が該当します。賠償金には慰謝料や逸失利益など多数の損害項目がありますが、そのうち後遺障害の慰謝料だけでも、弁護士基準で1,180万円にものぼります。一方で保険会社の提示する金額で示談すれば、本来受け取るべき金額よりも総額で数千万円少ない、ということもありえます。交通事故で後遺障害が残ったら、適切な賠償金額を受け取るため、症状と賠償額をよく把握しておくことが大事といえるでしょう。

2.後遺障害等級6級の表と解説

後遺障害等級6級は、下記の8つの症状(1号〜8号)を指します。
慰謝料については、表内の自賠責基準(最低保証金額)、任意保険基準(保険会社が提示する金額)、弁護士基準(被害者が本来受け取るべき適切な金額)をご参照ください。

等級 後遺障害 自賠責基準 任意保険基準 弁護士基準 労働能力喪失率
6級 1号
両眼の視力が0.1以下になったもの
512万円 600万円
※それぞれ独自に決定するため、あくまで目安
1180万円
※2021年赤本参照
67%
2号
咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
3号
両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
4号
一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40センチメートル以下の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
5号
脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
6号
一上肢の三大関節中の2関節の用を廃したもの
7号
一下肢の三大関節中の2関節の用を廃したもの
8号
一手の5の手指又はおや指を含み4の手指を失ったもの
1号:両眼の視力が0.1以下になった状態
この場合の視力とは裸眼ではなくメガネやコンタクトレンズで矯正した矯正視力のことをいいます。
2号:咀嚼または言語の機能に著しい障害を残す状態
咀嚼機能の著しい障害とは、粥食またはこれに準ずる程度の飲食物以外は摂取できないことをいいます。
言語機能の著しい障害とは、子音を構成する4種の語音のうち、2種類以上の発音ができないこと、または綴音機能(語音を一定の順序に連結すること)に障害があるため、言語のみを用いて意思疎通できないことをいいます。

4種の語音とは
・口唇音(ま行・ぱ行・ば行・わ行の音および「ふ」)
・歯舌音(な行・た行・だ行・ら行・さ行・ざ行の音および「しゅ」「し」「じゅ」)
・口蓋音(か行・が行・や行の音および「ひ」「にゅ」「ぎゅ」「ん」
・喉頭音(は行の音)
のことをいいます。

3号:両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になった状態
3号にあてはまる症状は2パターンあり、両耳の平均純音聴力レベルが80デシベル以上になった場合と、両耳の平均純音聴力レベルが50デシベル以上80デシベル未満であり、かつ、最高明瞭度が30%以下になった場合をいいます。

聴力レベルの指標は20デシベル以内であれば、ほぼ正常、30~40デシベルであれば軽度難聴(小さな声が聴きにくい)、60デシベルであれば中等度難聴(日常会話に支障あり)、80~90デシベルであれば高度難聴(日常会話ほぼ聞こえない)に該当します。
最高明瞭度とは言葉の聞き取りやすさ(音が聞こえても内容が把握できない場合など)の指標をいいます。

4号:一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40㎝以上の距離では普通の話声を把握・理解できない状態
3号と同じ耳の後遺障害で、一耳の平均純音聴力レベルが90デシベル以上であり、かつ、他耳の平均純音聴力レベルが70デシベル以上になった場合です。
5号:脊柱に著しい変形または運動障害を残す状態
脊柱とは背骨のことで、首からお尻まで一つに繋がり、体の中軸をなし、体幹を支える骨格です。
変形障害とは、圧迫骨折や破裂骨折などで脊柱が変形することです。運動障害とは、背中を曲げ伸ばしできないなど、脊柱の動きが悪くなることです。
6号:片方の腕の3大関節中の2関節の機能が失われた状態
上半身の3大関節(肩関節・ひじ関節・手関節)のうち2つの関節について、麻痺や強直(固まること)により可動域が通常の10%以下になった場合をいいます。
7号:片方の腕の3大関節中の2関節の機能が失われた状態
下半身の3大関節(股関節、ひざ関節、足関節)のうち2つの関節について、麻痺や強直(固まること)により可動域が通常の10%以下になった場合をいいます。
8号:片方の手の5の手指またはおや指を含み4の手指を失った状態
指を失うとは、おや指であればIP関節(指の中間部分の関節)、その他の指であれば第2関節から先を失った場合をいいます。

3.後遺障害の知識をつけて、適切な賠償金を

今回は後遺障害等級6級を解説しました。後遺障害等級の中間に近い等級ですが、その症状はとても重く深刻なものです。当初の段階から治療や慰謝料について把握しておくことは、その後の生活に関わる重要な取り組みといえます。適切な賠償金額を受け取るためにも、事故直後から弁護士へ相談することをおすすめします。