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交通事故でむちうちになったときの注意点

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むちうちは交通事故による負傷で最も多い症例です。ただ、むちうちによる症状の内容や程度は様々です。症状に応じた適切な慰謝料を受け取るためには、いくつかのポイントに注意しなければなりません。

1.むちうちとは

むちうちとは、交通事故などの強い衝撃によって頚椎を負傷し、様々な症状を引き起こすものです。
追突事故で発生することが特に多いです。

首が前後にムチのようにしなることから「むちうち」と呼ばれています。医学上の診断名は「頚椎捻挫」や「外傷性頚部症候群」といいます。
症状としては、首・肩の痛みや凝り、腕・手の痛みやしびれ、頭痛、倦怠感などが多いですが、他にも様々な症状が出ることがあります。

2.交通事故によるむちうちで請求できる慰謝料

交通事故でむちうちになると、治療期間に応じた「入通院慰謝料」と、さらに後遺障害が残った場合には「後遺障害慰謝料」を請求できます。

(1)入通院慰謝料
入通院慰謝料は、治療のために要した入通院期間に応じて計算されます。
軽度のむちうちは3ヶ月程度で完治することもありますが、後遺障害が残るほど重度の場合は最低でも6ヶ月は入通院を要することが多いです。
弁護士や裁判所が慰謝料計算の際に用いる「裁判所基準」によれば、慰謝料の目安は次のようになります。

・3ヶ月通院した場合(軽傷):53万円程度
・6ヶ月通院した場合(重傷):116万円程度

(2)後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料の金額は、認定された後遺障害等級に応じて定められています。
むちうちで認定される可能性があるのは12級また14級であり、裁判所基準による慰謝料の目安は次のとおりです。

・12級に認定された場合:290万円程度
・14級に認定された場合:110万円程度

3.交通事故でむちうちになったときの注意点

交通事故でむちうちになったとき、適切な慰謝料を受け取るために以下の点に注意しましょう。

(1)なるべく早く受診する
むちうちの症状は事故後すぐには出ないことも多いですが、異変を感じたらすぐに病院で診察を受けましょう。何日も受診しないでいると、事故と症状は無関係と判断されてしまうおそれがあります。

(2)医師に症状を正確に伝える
むちうちは外部からは確認できない負傷なので、患者から医師に症状を正確に伝えなければ、適切な診断と治療を受けることはできません。
また、自覚症状が診断書やカルテに正しく記載されていなければ、後遺障害等級の認定で不利になるおそれもあります。

(3)適切なペースで通院を続ける
通院の頻度が低いと軽傷とみなされ、慰謝料を減額されることがあります。仕事や家事などが忙しくても、3日に1回程度のペースで通院を続けるようにしましょう。

(4)詳しい検査を受ける
後遺障害等級の認定を受ける際には、症状の原因を証明できるかどうかが問題となることもあります。
レントゲン写真で異常がなくても、CTやMRIで撮影すれば異常が見つかることもあるので、できる限り詳しい検査を受けておくべきです。

(5)治療費打ち切りの打診に安易に応じない
むちうちの治療を開始して6ヶ月程度が経過すると、保険会社が治療費の支払いを打ち切りたいと打診してくることがあります。しかし、安易に応じると治療費や慰謝料で損をする可能性があります。
保険会社から治療費打ち切りの打診を受けたら、主治医や弁護士に相談しましょう。

(6)整骨院等への通院は医師の許可を得てから
整骨院や接骨院では医師による診断を受けられないため、整骨院等へ通院しても原則として施術費や慰謝料は請求できません。

しかし、医師が有効性を認めた場合には施術費や慰謝料を請求できます。そのため、整骨院等への通院は医師の許可を得てからにしましょう。

(7)後遺障害診断書の内容を確認する
むちうちが完治せず症状固定した場合は、医師に後遺障害診断書を発行してもらいます。後遺障害等級認定の審査では、後遺障害診断書の記載内容が最も重要となります。

そのため、後遺障害診断書を受け取ったら適切な内容が記載されているかを確認しましょう。ただし、確認には専門的な知識を要するので、弁護士に相談するのがおすすめです。

保険会社との示談交渉を弁護士に依頼すれば、慰謝料は裁判所基準で計算して請求してもらえるので、それだけでも保険会社の提示額より増額できる可能性があります。
山口県で交通事故によるむちうちでお悩みの方は、下関、宇部、周南、岩国の法律事務所、弁護士法人ONEへご相談ください。

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