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周南市の男子トイレで盗撮!性的姿態等撮影罪とは?

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2024年4月19日、山口県周南市の男性事務職員が、市役所の男性トイレで他の男性職員を盗撮したとして、停職3ヶ月の懲戒処分を受けたことが報道されました。

盗撮では女性が被害者となるケースが多いですが、男性が男性を盗撮することも罪となります。以下では、男性を盗撮した場合の罪名などについてご説明します。

1.盗撮の罪名

盗撮が2023年7月13日以降に行われた場合は、新たに施行された性的姿態撮影等処罰法の「性的姿態等撮影罪」に該当します。

性的姿態等撮影罪は、人の性的な部位(性器、肛門、これらの周辺部、お尻、胸)や、下着のうち性的な部位を覆っている部分などを、正当な理由なく、ひそかに撮影する犯罪のことです。

2023年7月12日以前の犯行では、性的姿態撮影等処罰法が適用されないため、各都道府県の迷惑防止条例違反や軽犯罪法違反として処罰の対象となります。

被写体とされた人が18歳未満の場合は、児童ポルノ禁止法の「児童ポルノ製造罪」に該当します。

以上の犯罪が成立するのと同時に、盗撮目的でトイレに侵入したことにより、建造物侵入罪または建造物侵入罪も成立する可能性があります。

2.被写体が男性でも罪になる

盗撮は、被写体が男性の場合でも罪になります。法律上、盗撮の犯行の対象者は「人」や「18歳未満の者」と規定されていて、女性に限定されていないからです。

ただし、現在の社会状況では、女性が盗撮された場合よりも男性が盗撮された場合の方が、一般的には被害の程度が軽いと考えられるでしょう。そのため、有罪となった場合の刑罰は、男性が盗撮された場合の方が軽くなる傾向にあるといえます。

冒頭でご紹介した周南市の男性事務職員は、警察に出頭して書類送検されたものの、不起訴処分となりました。不起訴となった理由は明らかにされていませんが、おそらく、初犯であったことや、被写体が男性であったことなどが考慮されたのではないかと推測されます。

3.盗撮の刑罰

盗撮で有罪となった場合の刑罰の上限は、以下のとおりです。

・性的姿態等撮影罪…3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金
・迷惑防止条例違反(東京都の場合)…1年以下の懲役または100万円以下の罰金(都道府県によって異なります)
・軽犯罪法違反…拘留または科料
・児童ポルノ製造罪…3年以下の懲役または300万円以下の罰金
・住居侵入罪、建造物侵入罪…3年以下の懲役または10万円以下の罰金です。

盗撮の罪と住居侵入罪または建造物侵入罪が同時に成立する場合は、重い方の刑罰で処罰されることになります。

4.盗撮による懲戒処分の正当性

冒頭でご紹介した周南市の男性事務職員は、職場で停職3ヶ月の懲戒処分を受けています。この処分は重いのでしょうか、それとも軽いのでしょうか。

民間企業の場合、懲戒事由は就業規則によりますが、一般的に罪を犯して懲役刑や罰金刑といった有罪判決を受ければ、懲戒解雇となるケースも珍しくありません。しかし、有罪判決が言い渡されるまでは無罪が推定されますので、逮捕されたとしても、いきなり懲戒解雇とするのは重すぎです。

しかし、公務員の場合は民間企業よりも国民や市民からの信頼が強く求められるため、懲戒処分は厳しくなる傾向にあります。逮捕されて実名で報道されただけでも、懲戒免職となる可能性は否定できません。

今回のケースでは、逮捕も実名報道もなく、有罪判決も受けていません。しかし、盗撮をした事実は本人も認めています。そのため、「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行があった」として停職3ヶ月とした懲戒処分は、相当であろうと考えられます。

今回は山口県周南市で発生した男性トイレにおける盗撮事件をご紹介しましたが、盗撮行為に適用される罪名や刑罰について、ご理解いただけましたでしょうか。

万が一、盗撮の被害に遭ったり、ご自身や身内の方が盗撮の容疑をかけられた際には、速やかに対処することが大切です。お困りの際には、下関、宇部、周南、岩国の法律事務所、弁護士法人ONEへお気軽にご相談ください。

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