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不動産売買契約書を作成する際のポイント

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不動産を売買するときには、後のトラブルを回避するために、不動産売買契約書を正しく作成しておくことが重要です。
不動産売買契約書に記載すべき内容や注意点について、分かりやすく解説します。

1.不動産売買契約書とは

不動産売買契約書とは、不動産の売買をする際に、売主と買主が合意して取り決めた内容を記載した契約書のことです。
売買契約は口頭でも成立しますが、取り決めた内容を書面にして残しておかなければ、後で「言った・言わない」のトラブルが発生するおそれがあります。
不動産売買には高額の費用がかかるため、契約に不備があると大きな損失が生じることになりかねません。そのため、適正な不動産売買契約書を作成しておくことが重要なのです。

2.不動産売買契約書の記載事項

不動産売買契約書に記載すべき主な事項は、以下のとおりです。

(1)物件に関すること
売買の目的物となる物件は、明確に特定できるように記載しなければなりません。登記簿謄本に記載されているとおりに、正確に記載しましょう。
また、測量図を交付する時期や、境界を明示する方法と時期も定めておきましょう。

登記簿上の地積と実測地積は一致しないことも多いので、土地の売買に際しては測量士や土地家屋調査士が作成した測量図を買主に交付するのが一般的です。
売主は買主に対して、売却する土地と隣接地との境界を明示することが義務付けられています。

(2)売買代金に関すること
売買代金については、金額と支払日、支払い方法(現金、振込み、預金小切手など)を明確に記載しましょう。売買代金を何度かに分けて支払うこととする場合は、いつまでにいくら支払うのかも明確に記載すべきです。

土地と建物を合わせて売買する場合は、土地の代金と建物の代金もそれぞれ記載するのが一般的です。

(3)手付金に関すること
不動産の売買契約では、手付金を支払うことが多いです。手付金の相場は売買代金の5~10%程度で、契約締結と同時に支払うのが一般的です。
手付金は、当事者間に特段の合意がなければ「解約手付」となります。その場合、相手が契約の履行に着手するまでは契約の解除が可能です。買主から解除する場合は手付金を放棄し、売主から解除する場合は手付金の倍額を返還することになります。

ただし、手付金の性質については当事者の認識が相違することも少なくないので、いつまでなら解除できるのかを明確に記載した方がよいでしょう。

(4)所有権移転や引渡しに関すること
物件の所有権がいつ買主に移るのか、売主は物件をいつ引き渡すのかについても、明確に記載しなければなりません。

実務上は、売買代金の全額の支払いと同時に所有権が移転し、引き渡しが行われ、その日に所有権移転登記の申請手続きも行われるのが一般的です。そうしなければ、「代金を支払ったのに引き渡してもらえない」、「物件を引き渡したのに代金が支払われない」といったことが生じるおそれがあるからです。

(5)費用の負担に関すること
不動産売買契約の際には様々な費用が発生しますが、それぞれの費用について、どちらがいくら負担するのかを記載しておくことも重要です。
売買代金を振り込みで支払う場合の振込手数料や、所有権移転登記に要する費用などは、全額を買主負担とすることがほとんどです。
固定資産税などの公租・公課については、引き渡し日を境として、日割りでそれぞれの負担とするのが一般的です。

(6)契約不適合責任に関すること
契約不適合責任とは、契約締結時に買主が発見できなかった欠陥が後で見つかった場合に、売主が補修や損害賠償などをしなければならないという責任のことです。以前は「瑕疵担保責任」といわれていたものです。

民法の契約不適合責任に関する規定は任意規定なので排除することが可能であり、不動産売買契約書では排除する旨の規定が設けられることが多いです。
買主としては、事前に物件のチェックをしっかりと行うことが重要となるでしょう。

(7)その他
その他にも、不動産売買契約書には様々な条項が盛り込まれます。

契約書を作成したり、相手が作成した契約書を提示されたりしたときは、全国宅地建物取引業保証協会などが提供しているひな形を参照するなどして、細かくチェックするようにしましょう。

不動産売買契約書は、高額な不動産の取引を安全に行うための重要な書類です。ただ、一般の方がすべての内容を的確にチェックするのは困難です。不安がある方は、法律の専門家である弁護士に相談してみることをおすすめします。

下関・宇部・周南・岩国の弁護士法人ONEでは、不動産売買契約書の作成代行やチェックも承っております。安心して不動産を売買するためにも、一度、当事務所へご相談ください。

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