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山口県の最低賃金31円アップと法律トラブル

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山口県の令和3年度の最低賃金は857円でしたが、令和4年度は888円に引き上げられ、10月13日から改正されました。

労働者にとって賃金が上がるのは喜ばしいことに違いありませんが、最低賃金の大幅な引き上げにはトラブルもつきものです。

賃金の引き上げは企業にとっては負担となるため、様々な弊害が生じることも予想されます。労働者としても、予想される弊害については知っておいた方がよいでしょう。

1.山口県の最低賃金が888円に

令和4年8月17日、山口地方最低賃金審議会は県内の最低賃金について、現令和3年度の857円から31円引き上げて888円とすることを山口労働局長に答申しました。

なお、各都道府県の最低賃金は1年ごとに、以下の手順で定められます。

(1)厚生労働省の「中央最低賃金審議会」から引上げ額の目安が提示される
(2)地方最低賃金審議会で地域の実情に応じた引き上げ額について審議する
(3)審議の結果を地方労働局長へ答申する
(4)異議申出にかかる調査・審議が行われる
(5)地方労働局長が最低賃金の額を決定する

山口県では9月2日にすべてのステップが終了し、令和4年10月13日から最低賃金が888円に引き揚げられることが決定しました。

2.最低賃金ランキングで山口県は26位

都道府県別の最低賃金ランキングで、山口県は令和3年度は26位でしたが、令和4年度は27位となります。

令和4年度の全国加重平均(全国の最低賃金を都道府県ごとの労働者数で重みづけして平均した額)
は961円で、山口県の888円はこれを大きく下回っていますが、順位でいうと真ん中よりもやや下というところです。

ちなみに令和4年度の1位は東京都の1,072円、最下位は青森県や沖縄県をはじめ10県で853円となります。

3.平均年収ランキングで山口県は16位

ご参考までに平均年収ランキングもご紹介しますと、厚生労働省の『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、山口県は16位となっています。

比較的上位ではありますが、全国平均が4,893,100円であるのに対して山口県は4,570,500円と平均を下回っており、高収入というわけではありません。

したがって、今後もさらに最低賃金の引き上げが期待される状況であるといえるでしょう。

ちなみに、平均年収1位は東京都の5,849,300円、最下位は沖縄県の3,672,100円となっています。

4.最低賃金の引き上げによる弊害

最低賃金が大幅に引き上げられると、以下のような弊害が予想されます。

・企業が労働者の雇用を控えるようになる
・現在雇用している従業員もリストラされる可能性がある
・従業員1人あたりの仕事量が増える

労働者にとっては、仕事に就きにくくなる上に、就けたとしても今までどおりの仕事量や仕事内容で賃金アップが得られるとは限らないことに注意が必要です。

5.困ったときは法的な対処が重要

リストラによる解雇はやむを得ないものとして法律でも許容されていますが、厳しい要件を満たす必要があります。現実には要件を満たさず、違法な不当解雇に該当するケースが少なくありません。

少ない人員で業務を遂行するためには残業が増えることも予想されますが、法律上、残業時間の上限は原則として月45時間かつ年360時間までと定められています。

企業がこの規制をかいくぐるためにサービス残業を強制してくると、残業代が未払いとなるおそれもあります。

また、度を超えた長時間労働や能力に見合わない重労働を強制されることは、パワハラにも該当します。

もし、このような労働問題に直面したときは、一人で悩まず弁護士に相談して法的な対処を検討した方がよいでしょう。
山口県内の労働問題でお困りの際は、お気軽に下関・宇部・周南の弁護士、弁護士法人大賀綜合法律事務所までお問い合わせください。

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