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【わかりやすく解説】任意整理とは?

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任意整理とは、裁判所を介さずに各債権者と直接話し合うことによって借金の返済総額や毎月の返済額を変更してもらう手続きのことです。

債務整理の中で最も手軽にできる手続きが任意整理ですが、裁判所を介する手続きではないため、債権者との交渉次第で結果に違いが生じることもあります。

1.任意整理の流れ

任意整理を行うときは、まず債権者から取引履歴を取り寄せ、すべての取引について利息引き直し計算を行います。
多くの貸金業者が2007年までは利息制限法所定の上限金利を超える「グレーゾーン金利」で貸付を行っていました。そのため、それ以前から借金をしていた人は過払い金が発生している可能性があります。
過払い金は返還請求できますが、確実に取り戻すためには弁護士に相談した方がよいでしょう。
利息引き直し計算によって本来の債務額が明らかになったら、その金額に基づいて返済期間や毎月の返済額を債権者と話し合って取り決めます。
基本的には、債権者は36回(3年)以内での返済を求めてきます。
ご自身でそれ以上の交渉をするのは難しい場合が多いですが、弁護士に交渉を依頼すれば60回(5年)、またはそれ以上の返済回数で和解できることも少なくありません。
債権者との話し合いがまとまれば、和解書を取り交わした上で、分割返済を開始します。

2.任意整理のメリット

任意整理の第一のメリットは、返済期間や毎月の返済額を話し合いによって柔軟に決められることです。
財産を手放す必要もなく、仕事にも影響はありません。
自己破産や個人再生の場合は官報に氏名や住所が掲載されますが、任意整理は債権者との間で内々に行う手続きに過ぎませんので、周りの人に知られずに借金を整理することができます。
また、整理したい債権者を選べるので、保証人が付いている債権者は除外して無担保の債権者のみを整理することができます。この点も、自己破産や個人再生にはないメリットです。

3.任意整理のデメリット

任意整理をするとブラックリストに載せられ、5年ほどは借り入れやクレジットカードの利用ができなくなります。
もっとも、ブラックリストに載せられることは、どの債務整理方法にも共通するデメリットです。
任意整理特有のデメリットとしては、借金の大幅な減額は期待できないということです。基本的に将来利息や遅延損害金はカットしてもらえますが、元金のカットはできないことが多いです。
また、減額後の借金を返済していくことが可能な安定した収入があることが必要条件となります。

4.任意整理に向いている人

任意整理に向いているのは、借金総額が比較的少ない人です。個人再生の最低弁済額が100万円なので、借金総額が100万円以内の人は任意整理を選択することになります。
ある程度多額の借金を抱えている人でも、保証人が付いている借金がある場合には、収入次第では任意整理をすることができます。

5.任意整理に向いていない人

任意整理に向いていないのは、多額の借金を抱えている人です。
大まかな目安として、月収30万円のサラリーマンの方なら500~600万円程度の借金があれば自己破産を検討した方がよいでしょう。
300~400万円程度の場合でも、個人再生を検討した方が金銭的には得策といえます。
任意整理は債権者と交渉してみなければ最終的な結果がわからない部分もあります。交渉の結果、任意整理が厳しそうであれば自己破産や個人再生に切り替えることも可能です。
債務整理の方針については、弁護士に相談しながら検討することで、適切な解決策にたどり着きやすくなります。

山口県で任意整理をお考えの方は、下関・宇部・周南・岩国の弁護士法人ONEまでご相談ください。

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